王子神社の例大祭は「槍祭」とも呼ばれます。
これは祭礼に際し「御槍」という古伝の御守護(おまもり)が出るためです。
開運除災・萬願成就といわれており、江戸時代の『願懸重宝記』には「神前に小き槍を置て祈念なすに悪事災難をまぬかるる」と出ています。
本祭に行われる神輿の大集合。宮出し行事のみですが、多くの神輿が次々に鳥居をくぐるさまは圧巻です。祭礼3日目の早朝に行われます。
田楽は中世に大流行した芸能で、その後は猿楽や能に押され、現在は各地に民俗芸能としてのみ残存している稀少な芸能です。王子神社の田楽舞は古式のほぼ全てを有しており、日本三大田楽の1つと言われています。戦災で途絶えていたものを昭和58年に復興し、昭和62年に北区無形文化財に指定されました。王子田楽衆の手になるもので、毎年、祭礼3日目の夕刻に奉納されます。
「田楽行列」に始まる田楽式は「露払」、「槍合わせ」、「七度半」と古式をそのままに再現し、田楽十二番の奉納となります。中でも貴重な演目の1つは一番「中門口」で、これは田楽座が貴人宅へ練りいる際に、門の所で芸を披露した形態を残しているもので、舞台の下で舞われます。